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ごあいさつ
text 吉川宏志
「インターネット週刊時評」が始まるきっかけになったのは、川本千栄歌集『青い猫』と、なみの亜子歌集『鳴』の合同批評会のあとの懇親会の席上だった。ちょうど大辻隆弘さんと永田淳さんの私が顔をそろえていて、インターネット上で短歌時評を書いてはどうか、という話になり、酒の勢いもあったのか、ぜひ実現しましょう、と盛り上がったのであった。飲み会が終わったあと、まあいつになるかわからんわな、と思っていたのだが、そのあとの永田淳さんの動きは迅速で、いつのまにかシステムを立ち上げ、数ヵ月後にはオープンの運びとなったのである。 実際に始めてみると、2週間に1回というペースはかなりきつい。月曜日の朝が締切なのだが、日曜の晩はほとんど寝られない、ということも何回もあった。月曜の朝に会社では全体会議があるのだが、半分寝ていた(こともあった。会社関係の方、ここ見ていないでしょうね。すみません) 何度か論争があったが、実を言うと論争があったほうが書くほうはラク、ということがある。もちろん、論争は凄くエネルギーを使うのだが、書くことの素材には事欠かない。一番つらいのは、書くことが見つからない週で、書きたいなあと思わせる歌集もないときは、ほんとうに苦しかった(歌集の出版も、いい歌集が集中するときと、そうでないときの差が大きい)。 しかしそれでも、大辻さんも私も、1回も休載せずに乗り切ったのは、手前味噌ながら、すごいことだと思う。私の場合、2年間健康だったのが最もありがたい要因なのだが、大辻さんという優れた伴走者がいたために、最後まで気力が衰えなかったのが大きかった。 もう、インターネットで書くのは嫌だ、と何度も思ったのにもかかわらず、連載が終わってみるとなんだかさびしい。そのさびしさにつけこむように、永田淳さんから、今度はブログをやってみませんか、というお誘いが入った。新しいシステムも作っているという。ついその誘いに乗ってしまう私なのであった。 今回は、なるべく論争を招くようなことは書かず(といってもつい書いちゃうかもしれないが)、気楽に短歌について考えたことを書いてみたいと思う。とは言っても、日記的な内容ばかりではダメと永田淳さんに言われている。また、現在、川本千栄さん・広坂早苗さん・松村由利子さんによる充実した「週刊時評」が順調に進行しているので、それと重なることは避けたいと思っている。 どういう内容になるか見当もつかないが、息長く続けられるように、ゆったりと進めていきたいと思います。 更新の頻度は、そうですね、三日に一回くらいを目標にしますと書いておこうか。でもあんまり期待しないでくださいね。